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「筋力」で走るな、「心臓」で走れ。40代からのフォーム改善は、まず「ピッチ(回転数)」の最適化から

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導入:ベテランランナーはなぜ「涼しい顔」なのか?

公園で走っていると、明らかに年配のベテランランナーに、涼しい顔でスゥーッと抜かされることはありませんか? 必死に地面を蹴って、ゼーハー言っている自分よりも、彼らの方が速く、そして楽そうに見える。

「体力が違うからだ」と思いがちですが、実はそうではありません。 彼らは「エンジンの使い分け」が上手いのです。

多くの初心者は、若さに任せて「筋力」で走ろうとします。 対してベテランは、経験則として「効率(エコノミー)」で走っています。所謂、楽に走っている状態です。

40代になった私たちが目指すべきは、後者です。 今回は、データを活用して「頑張らずに速く進む」ためのフォーム改善について、私が最初に取り組んだ「ピッチ(回転数)」の話をします。

理論1:Garminで見るべき「4つのKPI」

フォームを改善すると言っても、何を見ればいいのか? Garminには、ランニングの質を測るための重要な4つの指標(KPI)があります。

  1. ピッチ(Cadence): 1分間の歩数(回転数)。
  2. ストライド(Stride): 1歩の幅。
  3. 上下動(Vertical Oscillation): 体が上下に揺れる幅(無駄な動き)。
  4. 接地時間(GCT): 足が地面に着いている時間(ブレーキ)。

「多すぎて分からない!」と思うかもしれません。 しかし、これらは全て繋がっています(相互依存関係)。

実体験から断言しますが、最初に手を付けるべきセンターピンは「ピッチ」一択です。 なぜなら、ピッチを改善すれば、他の3つ(ストライド・上下動・接地時間)も、連動して良い方向へ向かうからです。

理論2:なぜ「ピッチ」がセンターピンなのか?(メカニズムの解説)

「ピッチを上げれば、他も改善する」 これには、物理的な理由があります。

ピッチを上げる(足を素早く回転させる)と、物理的に「悪い動き」をする暇がなくなるため、自然とフォームが矯正されるのです。

  1. ストライドが狭くなる(怪我減 & 効率化): 次の足を出さなきゃいけないので、足を大きく前に投げ出している暇がなくなります。 結果、無理な大股が解消され、ブレーキ(減速要素)がかからなくなります。これは怪我予防だけでなく、無駄なエネルギー消費を抑えることにも繋がります。
  2. 上下動が減る(効率化 & 怪我減): 空中に飛び上がっている暇もなくなります。 結果、エネルギーが「上」ではなく「前」に使われます。また、高い位置から落ちる衝撃もなくなるため、着地ダメージも大幅に軽減されます。
  3. 接地時間が短くなる(ブレーキ減): 地面にベタッと居座っている暇もありません。すぐに足を引き上げることになるので、ベタ足が解消されます。

もちろん、完璧なフォームを手に入れるには、着地位置や反発のもらい方など細かい技術が必要ですが、まずは「ピッチ」を意識するだけで、これら「3つの悪い動き」を物理的に封じ込めることができます。 これが、私が「ピッチ一択」を推奨するロジックです。

理論3:なぜ「ピッチ」を上げると楽になるのか?

なぜ、ピッチ(回転数)を上げて、歩幅(ストライド)を狭くするのが正解なのでしょうか? それはエネルギー源(リソース)の違いにあります。

  • ストライド走法 = 「筋力」依存(バッテリー型) 筋肉を使って地面を強く蹴る走り方です。筋肉はバッテリーのようなもので、容量に限界があります。 疲労してくると足が重くなり、心拍数が急上昇して失速します。一度消耗した筋力は、走りながらでは心拍ほどすぐには回復しません。
  • ピッチ走法 = 「心肺」依存(発電機型) 筋力を使わず、足をクルクル回す走り方です。 心肺機能は発電機のようなもので、酸素を取り込んでいる限り稼働し続けます。 もちろん心拍は上がりますが、少しペースを落とせば筋肉よりも比較的すぐに回復します 筋力よりも圧倒的に持続可能性(サステナビリティ)が高いのです。

40代を超えたら、回復の遅い「筋力」は温存し、回復の早い「心肺」を使って走る。これが長く走るための戦略です。

実践:どうやってピッチを上げるか?(2つのハック)

では、具体的にどうすればいいのか? ただ足を速く動かそうとすると、無駄に力んでしまいます。私が実践している「2つのイメージ戦略」を紹介します。

1. 腸腰筋ハック:「前の人に、軽く膝蹴りを入れる」

走る時、目の前に人がいると想定し、その人の太ももあたりにポン、ポン、と軽く膝蹴りを入れるイメージで足を引き上げます。

重要

姿勢が悪いと届かない : やってみると分かりますが、腰が落ちて背中が丸まった「へっぴり腰」の状態では、膝をうまく前の人に当てるイメージがうまくいきません。前の人の太ももに膝を届かせるためには、グッと腰を前に出し(腰を入れる)、背筋を伸ばす必要があります

つまり、「膝蹴り」を意識するだけで、

  1. 腰が入る(重心が高くなる)
  2. 腸腰筋が使われる(足が前に出る) という2つのフォーム改善が同時に完了するのです。

2. 聴覚ハック:「上手い人の足音を盗む」

これはレース中や、ランナーの多い公園で使える裏技です。 自分より少し速そうなランナーや、足音が「タッタッタッ」と軽快な人がいたら、こっそり後ろについてみてください。

そして、その人の足音のリズムに、自分の着地を完全にシンクロさせます。 視覚ではなく「音」でリズムをコピーするのです。上手い人は大抵ピッチが速いので、これだけで無理なく高回転のリズムを体感できます。

ツール活用:Garminの「メトロノーム」機能

感覚だけでリズムを変えるのは難しいものです。そこでGarminの出番です。 Garminには「メトロノーム機能」がついています。

  1. 設定方法: ランニングのアクティビティ設定から「メトロノーム」をオンにする。
  2. 目標数値: いきなり180spmは目指さなくてOKです。まずは「今の自分の平均ピッチ +5」くらいに設定しましょう。

音楽のリズムではなく、無機質な「ピッ、ピッ、ピッ」という電子音に合わせて足を動かす。 この「強制的なリズムトレーニング」を数回やるだけで、体感リズムが劇的に変わります。

私の成長記録:LSDなら「170」で上出来

ここまで偉そうに書きましたが、私も最初から理想的なピッチで走れたわけではありません。

  • 開始当初: 160spm未満(ドスドス走っていた)
  • 意識改革期: 165spm前後(膝蹴りを意識し始めた)
  • 現在: 170spm前後(LSDペースで維持)

「え、180じゃないの?」と思うかもしれません。 しかし、私たちが今取り組んでいるのは「LSD(ゆっくり走る土台作り)」です。スピードがゆっくりなら、ピッチも多少落ちるのは自然な物理現象です。

LSDのペースで170spm前後を刻めていれば、十分に「小股で効率的な走り」ができています。 レースペース(速い速度)になれば自然と180近くまで上がりますので、まず今は「170」を指標にしてみてください。

【発展編】私のGarmin画面(コックピット)を公開します

最後に、少しだけ未来の話をします。 ピッチが安定してくると、徐々に「他の数値とのバランス」を調整する余裕が出てきます。

私は現在、Garminの画面をカスタマイズして、以下の4項目を一度に表示させて走っています。

(ここにタイチさんの4分割画面の写真を挿入)

  • ピッチ(最重要)
  • 接地時間
  • 歩幅
  • 上下動

「あれ? ペース(速さ)や心拍数は?」 と思ったかもしれません。 あえて表示していません。理由はシンプルで、「フォーム改善(LSD)において、ペースはノイズだから」です。

ペース(速さ)を追うのではなく、動きの質(原因)を追う。 正しい動きで長く動ける土台を作ることで、はじめて「将来的にペースを上げるための前提(スペック)」が出来上がるのです。 (※心拍数の管理は、アラート機能や別画面で行っています)

まるで車のコックピットのように、これらの数値をリアルタイムで見ながら、「この引き上げ方法なら、接地時間が短くなった。あと心拍も安定してるね」(自分にあったフォーム改善)といった微調整(トライ&エラー)を行うのが、私のランニングの楽しみ方です。

しかし、最初からこれをやる必要はありません。 私も最初は「ピッチ」だけを見ていました。 まずは「ピッチ」というセンターピンを倒してください。そうすれば、いつかあなたも、この4つの数字を自在に操れるようになります。

まとめ:データで走りを「最適化」する

「頑張っているのに進まない」 「すぐに足がパンパンになる」

それは、あなたの根性が足りないのではなく、「効率の悪い走り方(ストライド過多)」をしているだけかもしれません。

まとめ

  1. Garminを見る: まずはピッチを確認する。
  2. 意識を変える: 腰を入れて、軽く膝蹴り(引き上げ)をする。
  3. 指標を確認する: ピッチが上がり、上下動が減っていることを確認する。

筋力でねじ伏せるのではなく、データと技術で効率化する。 この「大人の走り方」をマスターすれば、もっと楽に、もっと遠くまで走れるようになります。

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