「iPhoneを使っているなら、時計はApple Watch一択でしょ?」私も以前はそう考えていました。
通知は見れるし、Suicaで改札も通れるし、ランニングのログだって取れる。日常生活におけるApple Watchの完成度は完璧です。これ以上のスマートウォッチは存在しないとさえ思っていました。
しかし、ランニングを「たまの気まぐれ」ではなく、「継続的なプロジェクト(習慣)」として運用し始めた時、少しずつ違和感を覚え始めました。
結論から言います。
もしあなたが、これから真剣にランニングを趣味にしたいと考えているなら、「Garmin(ガーミン)」という専用機への投資を検討すべきです。
これは決してApple Watchを否定するものではありません。iPhoneとの連携やアプリといったことは完全にApple Watchが完勝です。
ですが「汎用機」と「専用機」の役割の違いを理解し、目的に合わせた最適なツール選定をしよう、というお話です。
この記事では、サブ5を目指す45歳PMの私が、なぜApple Watchを卒業し、Garmin(Forerunnerシリーズ)への移行を決断したのか。その「4つの合理的理由」を解説します。
理由1【運用保守】充電ストレスからの解放
Apple Watch最大の弱点。それは「バッテリー稼働時間の短さ」です。
高機能なディスプレイと引き換えに、毎日の充電という「運用コスト」を私たちに強いてきます。
ランニングを始めると、この問題はさらに深刻化します。
「さあ走りに行こう」と思った瞬間、バッテリー残量が10%だった時の絶望感を知っていますか? GPS計測はバッテリーを激しく消耗するため、充電不足の状態では走り出せません。
結果、「充電してから走ろう」→「待っている間に面倒くさくなった」→「今日のラン中止」という、機会損失(ログ欠損)が発生します。
正直な話、20分充電してから走り出そうと思って、夕ご飯を食べてしまい充電したまま走らなかったこともありましたw。
対して、私が選んだGarmin Forerunnerシリーズのバッテリー寿命は、スマートウォッチモードで約10日〜2週間持ちます。
もちろん、GPSを長時間使えば消費は早まりますが、週に3〜4回、各1時間程度走る私の使い方であれば、充電は週に1回程度で十分です。
毎日充電器にセットする手間から解放される。このメリットは想像以上に大きいです。
※補足:ただし、充電端子は独自の専用ケーブルです。これだけは管理が増えるデメリットですが、週1回の充電頻度なら許容範囲内でしょう。
理由2【UI/UX】物理ボタンは「疲労時」のフェイルセーフ
「タッチパネルの方が直感的で使いやすい」
それは、部屋でくつろいでいる時の話です。
ランニング中、特に後半の疲労困憊した状態を想像してください。息は上がり、手は汗ばみ、思考能力は著しく低下しています。
私はランニングを終わらせるときに、あの目標(家の近くとかコンビニとか)まで行ってから終わりにしようということが多いですが、視線を落とさずに手首に手を回してポチッとするだけです。箱根駅伝でもランナーが走り終わる時によく見る動作ですね。
汗で指が滑って反応しなかったり、誤って別の画面を触ってしまったりすることが少ないです。
私は雨の中を走ることは少ないのですが、「疲労で操作がおぼつかない」という状況は毎回訪れます。
Garminの最大の強みは、側面に配置された「5つの物理ボタン」です。
ここには「画面を見る」という動作すら必要ありません。
「カチッ」というクリック感(フィードバック)があるため、走りながら、画面を見ずに、指先の感覚だけで確実に操作を完結できます。
疲れている時こそ、操作はシンプルであるべき。
この「誤操作が起きない(フェイルセーフな)設計」こそが、専用機ならではの優れた操作です。
理由3【可視化】無料の最強分析ツール「Garmin Connect」
時計本体はあくまでセンサーです。Garminの真価は、スマホアプリ「Garmin Connect」との連携にあります。
これが、月額課金なしで使えるのが信じられないほど高機能な「BIツール(分析機能)」なのです。
(Stravaと比べてできることできないことがありますが、Stravaの無料版と比べたら、私はGarmin Connectを押します。Strava有料版だとそれはそれでできることがあり、欲しいですが)
「今日のタスク」を提案してくれる
私が嬉しかったことが「今日は走るべきか、休むべきか」そして「走るなら何km走ればいいか」です。
Garminは、過去のトレーニング負荷、睡眠の質、リカバリータイムなどを総合的に計算し、「今日のおすすめワークアウト」を提示してくれます。
「今日は疲労が溜まっているので、休息(または軽いリカバリーラン)にしましょう」
「持久力を上げるために、ベース走を40分行いましょう」
このように、目的(速くなる、長く走る)と現状(疲労度)を考慮した「今日の最適解」を自動でスケジューリングしてくれます。
自分の体の状態が一番ですが、ランニングを始める際にこの項目が出てくるので、それに従うも良し、それを参考にフリーに走ってもよし。
予測タイムは「成長のKPI」として見る
ただし、一つだけ理解しておくべき仕様があります。
Garminが表示する「予想タイム(5km、10kmなど)」は、私たちが実際に走った時の感覚(体感)とは、少々乖離がある場合があります(私の場合、実力よりかなり速く表示される傾向があります)。
しかし、これを「精度が低い」と切り捨てるのは早計です。PM的な視点で言えば、Garminの予想タイムは「相対評価の指標(トレンド)」として活用するの私は正解だと思っています。
絶対値(タイムそのもの)に一喜一憂するのではなく、「先月より数値が良くなっているか?」という推移を見るのです。
「数値が上がった=心肺機能や走力が向上している」という成長のKPIとして定点観測することで、日々のトレーニングの効果を客観的に確認できます。
Vo2Maxについても言えることですね。「予測タイム」の時と同じ考えで、定量データなので、前回と比較することで改善されたかという見方で使っています。
理由4【拡張性】初心者から上級者まで対応するスケーラビリティ
「初心者にGarminはオーバースペックでは?」
そう思うかもしれません。しかし、PM的な視点で言えば、初期要件だけでなく「将来の拡張性」を見越して選ぶべきです。
今は「距離」と「時間」が分かれば十分でしょう。
しかし、半年後に「もっと楽に走りたい」「フォームを改善したい」と思った時、Garminならそのまま対応できます。
知識が増えても、目標が高くなっても、買い換えることなく対応できる。
結果として、長く使えるGarminの方が、トータルコスト(TCO)は安く済むのです。
もし「走らない日」が来ても大丈夫。Garminは私の運動すべてを受け止める
今はランニングに夢中ですが、私たち40代の身体はいつ悲鳴を上げるかわかりません。別のスポーツを始めたいと思う時もあります。 そんな時、Apple WatchではなくGarminを選んでよかったと思えるのが、この「対応種目の広さと深さ」です。
Garmin Forerunner 265は「ランニング時計」と思われがちですが、実はマルチスポーツ対応。例えば、以下のようなワークアウトも標準で計測・管理できます。
【私たちがやりそうな現実的な運動リスト】
- 自転車(バイク・屋内バイク): 膝への負担が少ない有酸素運動として。(始めたよ!😃)
- 筋トレ・カーディオ: 基礎代謝を上げるためのジムワーク。
- プールスイム: 究極の全身運動&クールダウン。
- ハイキング・登山: 週末のリフレッシュに。
- ヨガ・ピラティス: 柔軟性と体幹強化に。
何が言いたいかというと、「ランニングではなくても、この時計は無駄にならない」ということです。 Apple Watchでもアプリを入れれば可能ですが、Garminはこれらを「一つのアプリ、一つの指標(Body Batteryなど)」で統合管理できます。
「走る」以外の選択肢が常に手元にある。この安心感こそが、Garminを選ぶ隠れた「合理的理由」なのです。
補足【連携検証】iPhoneユーザーでも不便はないのか?
最後に、Apple Watchから乗り換える際の懸念点について、正直な感想を書いておきます。
- 通知機能:LINEやメールの通知は普通に来ます。内容は読めますが、Apple Watchのように「時計から返信する」ことはできません。ただ、走っている最中に返信することは私はなかったので、閲覧専用と割り切れば十分です。
- 電子マネー:「Suica」に対応しているモデル(Forerunner 165/265など)を選べば、Apple Watch同様、財布を持たずにコンビニで水を買えます。改札も通れます。これは必須要件ですね。
- 通話機能について:最新のGarmin(Forerunner 570など)には通話機能がついています。しかし、私はあえて通話機能のない「265」を選びました。理由は単純です。「ランニング中くらい、誰にも邪魔されたくないから」です。1〜2時間のランニング中、電話に出る必要はありません。緊急時ならポーチのiPhoneを使えばいいだけです。使わない機能にお金を払うより、その分を良いシューズやウェアに投資する。それがPMとしての「リソース配分」の正解だと考えています。
【比較表】最新モデル(570)も出ているけど、どれを買うべき
「一番安いモデル(55)じゃダメなの?」「最新の570と何が違うの?」
その疑問に答えるための比較です。
| 項目 | Forerunner 165 | Forerunner 265 | Forerunner 570 | (参考) Apple Watch |
| 位置付け | 入門・コスパ最強 | 中級・ド定番 | 最新・全部入り | 汎用機 |
| 実勢価格 | 約4万円 | 約6万円 | 約7.5万円 | 3.4万円〜 |
| 通話機能 | × | × | ◎ | ◎ |
| LEDライト | × | × | ◎ | × |
| GPS精度 | 高い | 最高(マルチバンド) | 最高(マルチバンド) | 高い |
| ラン機能 | 必要十分 | フルスペック | フルスペック | アプリ依存 |
※Forerunner 55(約2.8万円)はSuica非対応のため除外しています。
【選定の結論:PMとしてのジャッジ】
- Forerunner 570(最新):確かに「通話」や「LEDライト」は便利です。しかし、プラス1.5万円の価値があるでしょうか?私は「ランニング中は通話から解放されたい(iPhoneも持ってるし)」と考えます。街中を走る分にはライトも必須ではありません。
- Forerunner 265(★あえて推奨):今、最も賢い選択肢はこれです。通話機能はありませんが、GPS精度やランニング分析機能は最新の570と同等(フルスペック)です。発売から時間が経ち、価格もこなれてきています。型落ちによる安価な在庫があればラッキーです。「余計な機能はいらない、走る機能だけは妥協したくない」そんな私たちにとって、265こそが最もROI(費用対効果)が高い「完成されたランニングギア」なのです。
- Forerunner 165:予算を抑えたいならこちら。265との違いはGPS精度と一部の専門データのみ。初心者にはこれで十分すぎるほどです。
まとめ:ランニングを「習慣」にするための投資
以上、私がApple Watchを卒業し、Garminを選んだ理由でした。
Apple Watchは素晴らしい「スマートウォッチ」ですが、Garminは頼れる「ランニングギア(相棒)」です。
形から入ることは、覚悟を決めること。
左手首にGarminを巻いた瞬間、あなたはただの「走る人」から、データを武器に成長する「ランナー」へと変わります。
さあ、Garminと共に、新しいランニングライフを始めましょう。