金曜日の夜。 私は左腕に、新たな相棒「アームバンド」を装着していた。 鏡の前でポーズを取る。 黒いバンドが二の腕にフィットし、スマホはガッチリと固定されている。 イヤホンはしない。夜道を走るのに耳を塞ぐのは危ないし、せっかくの静寂を楽しみたかったからだ。 見た目は完全に「いっぱしのランナー」だ。 私は意気揚々と夜の街へと駆け出した。 *** 走り出しは最高だった。 ポケットの中でスマホが暴れないだけで、こんなに走りやすいとは。 厚底シューズのクッション性も相まって、どこまでも走れそうな気がした。 しかし、 ...