「ドスッ、ドスッ」と重たい音を立てていた私の横を、風が通り抜けた。 ――時が止まった気がした。 すれ違ったその男の年齢は、おそらく私と同じ40代半ば。 だが、生物としての種別が違うのではないかと感じるほど、私とは何もかもが違っていた。 身体にピタリとフィットした黒いインナーに、白いランニングウェア。 手首には、青白く光る液晶画面を持つスマートウォッチ。 腕には闇夜に存在を知らせるLEDのアームバンド。 そして足元には、街灯の光を反射して輝く、鮮やかなネオンイエローの厚底シューズ。 何より衝撃だったのは、彼 ...