「人工知能が、人間みたいに言葉をしゃべるらしい」
仕事柄、そんなニュースはなんとなく耳にしていました。 でも、当時の僕にとっては完全に遠い世界の話。 「触ってみたいけど、そもそも何て話しかければいいの?」と、完全にフリーズしていました。
今思えば、それが正しいかどうかなんてどうでもよかったんです。 まずは恐る恐る、画面に向かって1行打ち込んでみる。 すべての物語は、そこから始まりました。
最初の1歩は「大好きなサウナの話」から
使い方を難しく考えるのは、いっさいやめました。
まずは画面に表示されていた、ピクニックの計画ボタンをポチッと押してみる。 すると、驚くほど自然な返事が返ってきたんです。
「お、これならいけるかも」
少し緊張がほぐれた僕は、次に僕が大好きな「サウナ」について質問してみました。 画面に返ってくる丁寧な案内を読みながら、気づけば「へぇ、おもしろいじゃん」と、ひとりで画面に向かって頷いていました。
なぜ「役に立たない雑談」が正解だったのか?
最初から「仕事の成果を出そう!」と身構えていたら、たぶん準備だけで疲れて諦めていたと思います(笑)。
自分の興味があるサウナや、他愛もない遊びの話だからこそ、気負わずに文字を打てた。 すでに使いこなしている人から見れば、なんてことない日常の1コマかもしれません。
でも、当時の僕にとっては、画面の向こうの相手と言葉が通じ合うこと自体が、めちゃくちゃ新鮮で画期的な体験だったんです。
距離が伸びるたびに、AIに相談したランニング
すっかり会話が楽しくなった僕は、次にずっと気になっていた「ランニングの始め方」を相談してみました。
返ってきたのは、「最初は歩くような速さで、まずは10分だけでOK」という、拍気抜けするほど優しいアドバイス。 でも、これなら僕にもできそうでした。
教わった通りに始めて、5km走れるようになったらまた相談する。 今度は「ゆっくり走る日と、速く走る日を組み合わせましょう」とメニューが変わる。 そんな泥臭い試行錯誤を、2ヶ月、3ヶ月と実直に繰り返していきました。
完璧な計画はいらない。まずは手元の1行から。
新しい道具を生活に取り入れるコツは、立派な計画を立てることじゃありません。 自分の日常を、ちょっとだけ楽しくするための「相談相手」にしてみることです。
最初から100点満点の使い方ができなくても、全然大丈夫。 そうやって対話を重ねていった結果、気づけば僕のランニングは、1年以上も続く大切な習慣に変わっていました。
もし今、何から始めればいいか迷っているなら。 まずはスマホを開いて、手元にある言葉を1行だけ、ポイッと投げかけてみませんか?